6/24/2025 6/24/2025
ここ数年の猛暑続きで、エアコンを一日中つけっぱなしにして過ごす家庭が珍しくなくなりました。気温だけでなく湿度も高い日本の夏では、冷房を切る時間を見つけるほうが難しいほどです。それでも、冷房の設定温度を1〜2℃上げるか除湿モードに切り替えるだけで、月に数千円の節約が可能です。
本記事では、こうした小さな設定変更でも快適性を損なわずに過ごす具体策を紹介します。
モード | 想定平均消費電力 | 1 時間あたり電気代 | 30日の電気代 | (26 ℃)との差額 |
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26 ℃ 冷房 (変更前) | 545 W (28 °C=450 W から 1 °C下げるごとに +10 % を2段階適用) | 約 16.88 円 | 約 12,153 円 | ― |
28 ℃ 冷房 | 450 W | 約 13.95 円 | 約 10,044 円 | ▲ 2,109 円(▲ 17 %) |
弱冷房除湿 | 400 W | 約 12.40 円 | 約 8,928 円 | ▲ 3,225 円(▲ 26 %) |
注:
電気料金単価:31 円/kWh(従量電灯Bの目安)。月間稼働時間:24 h × 30 日 = 720 h。
観点 | 28 ℃設定冷房 | 除湿(方式別) |
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目的 | 温度を下げるのが第一。冷却途中で水蒸気が結露し、湿度も下がる。 | 湿度を下げるのが第一。 ・弱冷房除湿:空気を軽く冷やし結露させ、ほぼそのまま吹き戻す。 ・再熱除湿:除湿後に空気を暖め直し、室温を保ったまま湿度を下げる。 ・ハイブリッド除湿:冷却空気を室内空気と混ぜ、温度低下を抑えつつ除湿。 |
消費電力(目安) | 約 450 W | 弱冷房除湿 400 W / ハイブリッド除湿 450 W / 再熱除湿≥600 W |
体感 | 風はひんやり。湿度が高いとべたつきが残るが、扇風機併用で改善。 | 湿度が下がる分サラッと感じ、同じ28 ℃でも体感温度は1〜2 ℃低い。再熱・ハイブリッドは冷え過ぎを抑えられる。 |
注:
除湿は機種により搭載方式が異なります。お手持ちのエアコンの「除湿方式」を取扱説明書で確認しておくと、電気代と快適性の見通しが立てやすくなります。
同じ28℃でも、湿度が40%と70%では体感が大きく違います。まずは両モードを数時間ずつ試し、室温と湿度の数値だけでなく「汗の引き具合」や「肌寒さ」を比べましょう。家族構成や部屋の断熱性能でも感じ方が変わるため、快適に感じた方を基本運用にするのが結局は省エネへの近道です。
エアコンは起動直後にコンプレッサーが全力で稼働します。30分程度の外出や食事のたびのオンオフは、起動直後はコンプレッサーが最大出力になり電力を多く消費します。目安として「外出が1時間以内ならつけっぱなし」を意識すると無駄を減らせます。
2時間以上外出するなら電源を切ったほうがトータルで節電できます。帰宅後の復帰運転で一時的に電力を多く使いますが、トータルでは確実に節電できます。タイマー機能やスマートリモコンを使い、帰宅30分前に自動でオンにする設定にしておくと快適さを損ねずに済みます。
ホコリ詰まりは風量低下と霜付きの原因になり、最大25%前後も消費電力が悪化します。フィルターは2〜4週間に一度、掃除機で吸い取るだけで効率が復活。室外機は周囲30cm以上の空間を確保し、直射日光を避けるためにすだれや日除けを立て掛けておくと排熱効率が上がります。
暑さで頭痛やだるさを感じたら、まず湿度と室温を確認し、湿度が60%を超えていれば除湿強め、気温が高ければ温度設定を1〜2℃下げるのが安全策です。節約は健康あってこそ。